このフード・レポートの内容は:

VOLUME 1
第9号


2010年9月1日

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Hello,

もう9月だなんて信じられますか? Noon Internationalのスタッフにとって、米国北西部の夏はいつも一番忙しい季節であり、時間が飛ぶように過ぎてしまいます。それでも私は、どうにか数日の夏休みを確保し、オレゴン州フッドリバーに住む古い親友を訪ねました。オレゴン州フッドリバーは、雄大なコロンビア川が流れるマウントフッドの裾野に位置します。青森県鶴田町の姉妹都市でもあります。私の友人は、最近、このフッドリバーに家を建てたのですが、今の時代にふさわしく持続可能性の問題に慎重に配慮した建築を選びました。再生木材と断熱性に優れた壁材を使用し、人工的な冷房や暖房を最小限に抑え、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる設計になっています。 

フッドリバーでの短い休暇中、どこへ行っても、持続可能性という概念の影響を感じずにはいられませんでした。美しい山や谷の風景を眺めつつ車を走らせていると、この10年間に、どれだけ多くの有機農場や有機果樹園が生まれたかを思い知らされます。建築から農業まで、すべてに持続可能な方法を採り入れる重要性に社会が注目していることの現れです。リンゴ、洋梨、ワイン用のブドウ……すべて持続可能です。私たちは、車を止めて有機栽培のモモを買い、「持続可能」ピーチコブラー(デザートの一種)を作りました。まるで天国ではありませんか!

しかし、ビジネスにおける持続可能性にリスクがないわけではありません。最近、面白いエピソードを読みました。フリトレー社が、スナック菓子の「サンチップス」に100%植物性由来の生分解性パッケージを採用した話です。新パッケージが出回るとまもなく、消費者はその袋自体がうるさいという不満を表明しました。そう、音が大きいのです!数週間のうちに「SORRY BUT I CAN'T HEAR YOU OVER THIS SUN CHIPS BAG(すみません、サンチップスの袋がうるさすぎて声が聞こえないんですが)」というグループがFacebookに現れ、3万人以上のメンバーを集めました。多くの消費者は、静けさを犠牲にして持続可能なパッケージを選ぶでしょうが、このスナックが近いうちに映画館で販売されることは恐らくないでしょう! 

「倫理にかなった枝豆を食べよう!」と題した今月の記事では、モンゴル国境近くの中国の生産者をご紹介します。この農場は、有機枝豆およびその他の野菜生産に持続可能性の主義を貫いています。このサプライヤの進歩と生産物について、まもなくさらに詳しい情報をお届けできることを楽しみにしています。

皆さんが、すばらしい9月を過ごされることを祈っています。夏の最後を楽しみつつ、どうぞ、みんなが生活に……そしてビジネスに……持続可能性を採り入れられる方法について思いを巡らせてみてください。


Lily and Betty

 

 

CropNews

CropVeggies

アメリカ合衆国ワシントン州北部およびオレゴン州では、ブルーベリーの収穫が終了しました。既に報道されているように、涼しく雨の多い春の影響で授粉条件が悪く、ほとんどの生産農家では収穫量が減り、果実のサイズも小さくなりました。収穫量が少なく、生鮮市場の需要が非常に強いことから、価格は大幅に上昇しています。

ワシントン州では、ラズベリーの生産も終了し、収穫後の後始末が行われています。ラズベリーの収穫量も今年は平均を下回りました。

ヤキマ・バレーでは、洋梨の収穫が始まり、リンゴ生産者は数週間後の収穫を控え、準備を整えています。収穫量と品質は、例年並みと見られます。 

ワシントン州では、ジャガイモの作付面積が昨年より1万エーカー減少しました。作付面積が縮小されたのはほとんど、晩生品種より収穫量の少ない早生品種であると伝えられています。ワシントン州のジャガイモ生産量は、2007年の史上最高記録に近づく勢いです。シーズン早期の収穫は順調で、品質は申し分なく、サイズも平均以上です。

Potatoes in Hand
Freshly Harvested Potatoes

ワシントン州西部およびオレゴン州では、春の低温と多雨を受け、スイートコーンの収穫が例年より約2週間遅れの8月上旬に始まりました。ほとんどの生産農家は、現在、収穫の約3分の1を終えたところです。5~6月の低温が成熟を遅らせたため、収穫量は約8%減となる見込みです。例年に比べ、穂軸や粒が小さいと報告する生産者もあります。

ワシントン州では、インゲンマメの収穫も終了しました。品質は高く、収穫量も例年並みです。 

中西部では雨が続いています。中西部の大部分の農作物は順調に生育していますが、雨で収穫スケジュールに遅れが出ているところもあります。収穫は、例年よりやや遅れると予想されます。 

カナダカナダのブルーベリー生産農家は、米国の農家と同じ状況と伝えられています。今シーズンは、困難続きでした。春の低温と多雨による授粉不良、8月半ばの酷暑、特有の害虫問題で、収穫量は例年を下回っています。ラズベリー農家も、収穫量の低下に見舞われました。ブルーベリーの価格もラズベリーの価格も、昨年に比べて大幅に高騰しています。

カナダ東部のジャガイモも、難しい状況にあります。アルバータ州の加工用ジャガイモは、シーズンを通じた多雨の影響で不作でした。アルバータ州のジャガイモ供給量が契約量を40%も下回るという推定もあります。さらにその収穫も、予定より10日以上遅れる見込みです。 

ブリティッシュコロンビア州では、ジャガイモの収穫が始まりました。雨が植え付けを妨げましたが、収穫は順調と伝えられています。 

オーストラリアクイーンズランド州は、イナゴの発生がピークを迎える9月の前に、イナゴに先制攻撃を仕掛けました。イナゴの被害は、ニューサウスウェールズ、ビクトリア、南オーストラリア、そしてクイーンズランドの各州で、大きな懸念となっています。バイオセキュリティ・クイーンズランドは、冬を通じてイナゴ対策を実施し、13,000ヘクタールにわたって55の群れの発生を抑えたと伝えられています。バイオセキュリティ・クイーンズランドは、既にオーストラリア西部で殺虫剤を噴霧しており、今後、東の高地およびダーリングダウンズ地域へと作業を拡大する予定です。 

ヨーロッパ広く報道されているとおり、干ばつと山火事により、世界の小麦供給量に関する懸念が高まっています。ロシア政府は、取りあえず年末まで小麦の輸出を禁止しました。現在のロシアの小麦危機が、世界の食糧供給に影響を与えると憶測する人もあります。米国農務省のロシア担当海外農業局は、「高い気温が、ジャガイモおよび野菜の収穫量減少をもたらした」としています。   

フランスの小麦は順調に生育しており、ロシアの干ばつによる小麦供給不足を補うと予想されます。どの程度、不足を穴埋めできるかは、現在のところ不明です。 

ペルーペルーからのアスパラガス供給は、厳しい状況にあると伝えられています。供給不足の原因は、低温による収穫量の減少と価格高騰です。9月には気温が上昇すると予想され、価格が戻るはずですが、秋の終わりごろまで価格は下がらないとする見方もあります。

チリチリのブルーベリー輸出量は、2008年から2009年にかけての昨シーズンに比べ、2009年から2010年は20%増加しました。チリの生産農家は、当初、もっと多い収穫を期待していましたが、年明けの低温と2月の地震が生産を失速させました。輸出増の大半は生鮮果実が占めますが、冷凍果実も増加しています。 

チリにおける核果生産量は、昨シーズンより減少しました。冬の気温が例年より高いなど、不利な天候が出芽に影響を与えたためです。春の気温が例年より低く、開花時期に霜を生じたことも、状況を悪化させました。 

Threegorges
Healthy Broccoli Ready for Harvest

 

 

グアテマラ: グアテマラでは、ブロッコリーのシーズンが続いています。8月半ばの雨が例年より多かったため、収穫量はやや減少しました。加工業者は、現在のところ、まだ既存の注文に対応していますが、高品質ブロッコリーの収穫と加工に例年よりやや時間がかかる可能性があります。雨は、9~10月にかけて減少するでしょう。        

 

 

 

 

中国中国政府の統計によれば、今年は、中国全土で26万6,000ヘクタール以上の農地で、秋に収穫される農作物が栽培されました。しかし、洪水による病害と虫害の拡大により、この秋の収穫の約3分の2が危ぶまれています。        

中国南部の雲南省は未だに雨と土砂崩れに悩まされているにも関わらず、中国政府は、今後数週間内に同じ地域が干ばつに見舞われると警告しています。土砂崩れによって貯水池やダムが破壊されているため、干ばつ対策が難航する可能性があります。政府の警告どおり、高温で乾燥した気候が続けば、トウモロコシからブルーベリーまで各種の農作物が影響を受けることになるでしょう。       

今月初めの大規模な土砂崩れで大きな被害を受けた中国北部の甘粛省では、リンゴの収穫が遅いスタートを切ったと伝えられています。これは、開花時期の気温が例年より低かったためです。

FoodSafety

 

中国のコールドチェーンにホットな未来

ウォール・ストリート・ジャーナルは8月半ば、中国が今年、日本を抜いて世界第2位の経済大国になる見通しを報じました。この経済状況からも、各国の輸出業者が新市場の事業機会として、発展する中国経済にますます注目することは間違いないでしょう。しかし、生鮮食品や冷凍食品のサプライヤにとって、というよりむしろ、厳密な温度・湿度管理が必要なあらゆる製品のサプライヤにとって、これは問題をもたらす可能性があります。現在の中国では、冷蔵・冷凍品の流通システム、すなわちコールドチェーンが、あるとしても未発達なためです。中国物流購買連合会の主任、黄久久氏によると、国内のコールドチェーンの基準は、2006年以降ようやく話題に上がるようになり、以来、200件以上の基準が主に政府や業界によって作られてきたそうです。米国政府のほか、中国事業を営む企業からも支援を得て、中国のコールドチェーンは今後10年間の急発展が見込まれています。

frozen truck
Similar Cold Storage Facilities Planned in China

中国の国家発展改革委員会は、最近、生鮮野菜と果物の20%、魚介類の15%、肉類の30%が配達までに腐ってしまっているという現状を公表しました。これを金額に直すと、中国では毎年1億4,700万ドル相当の食品が失われている見積もりになります。日本や欧米では、国内で消費される野菜と果物の95%がコールドチェーンを介して供給されていますが、中国ではその割合がややもすると5%と見積もられています。このため、中国政府は、2015年までに国内にコールドチェーンを発達させ、肉類の30%、野菜と果物の20%、魚介類の36%を供給できるようにするための5か年計画を打ち出しました。冷凍食品については、肉類の50%、野菜と果物の30%、魚介類の65%をコールドチェーンで供給するのが目標です。

これまでおおむね未開拓のままとされてきた中国内陸部の消費購買力をつかみ取りたいと考えている米国の食品会社のために、米国政府は、信頼性の高いコールドチェーン開発を目指す中国政府の取り組みを支援しています。信頼の置けるコールドチェーンが中国に作られれば、内陸市場の開拓に役立つだけでなく、中国から米国に輸入される食品の安全性も向上します。7月末、在北京米国大使館の農業貿易担当ディレクター、エリック・トラクテンバーグ氏は、黄久久氏と面会し、コールドチェーン物流機器の米国企業から中国企業への販売を奨励するような、相互に恩恵のあるコールドチェーンの開発計画について、話し合いました。コールドチェーンの物流開発が首尾よく進めば、製薬会社にも恩恵があります。保冷の必要な製品を、安心して中国内陸部に送れるようになるためです。米国の農産品および製薬会社にとって、中国経済はますます加熱する一方ですが、製品を消費者に届ける方法は冷え込みつつある、と言えるでしょう。

 

 

 

 

EatHealthy

 

倫理にかなった枝豆を食べよう!

健康で賢い食生活とは、単に最も栄養価が高く、おいしい食品を選ぶことではありません。責任を持って生産された食品を選ぶということでもあります。「サステナビリティ(持続可能性)」は、農業上の責任に関する最新の流行語です。そして、世界中の有機生産者と従来の生産者がともに、農業生産工程管理(GAP)を実施しつつあります。GAPとは、持続可能性の理念を導入しつつ、高品質の農業生産物を世界中の食卓に届けるコスト効果の高い生産を維持することを目指す活動です。モンゴル国境に近い中国のある枝豆生産者は、有機枝豆および他の野菜の生産に持続可能性の原則を導入しました。 

Sustainable Edamame
Sustainably Grown Edamame

この農業法人は、地元の畜産業者との相互に有益な関係を生かし、暖房、照明、さらには肥料のニーズまで持続可能な形で満たしています。 中国北部では、寒い冬の間、家畜を保温するとともに、施設に照明を使用する必要があります。これを持続可能な方法で行うために、この革新的な農場は、畜産業者に飼料用トウモロコシと野菜生産廃棄物を提供することにしました。その代わり、厳しい冬の間、動物の排泄物に含まれるメタンで温室の暖房と照明に必要な電力を賄います。気温の高い夏、農場は、畜産業者から提供される発酵した動物の排泄物と有機野菜、植物類を混ぜ、堆肥として、農作物の完全な有機栽培に役立てます。ここで生産される有機農作物は、潜在的に有害性を持つ農薬や農薬代謝物も含みません。この農場は、さまざまな野菜を生産していますが、主力は高品質の有機枝豆です。 

有機枝豆は、健康に対する数々の有益性と栄養価が実証されています。例えば枝豆は、有機栽培であれ、従来の方法で生産されたものであれ、2分の1カップに約11グラムとたんぱく質を非常に豊富に含んでいます。体内で合成できない9つの必須アミノ酸をすべて含む、数少ない野菜の1つでもあります。また、食物繊維や、心臓病予防に効果のあるイソフラボン、丈夫な骨を作るカルシウムも豊富です。このような栄養価を持つ枝豆が持続可能な方法で生産されているとあって、この中国の枝豆は、健康と持続可能な農業に関心を持つ米国および世界中の消費者に人気を博しています。将来、さらに多くの国際的なサプライヤが、持続可能な生産方法を導入し、食糧生産事業に付加価値とコスト削減をもたらすことは、恐らく間違いないでしょう。     

 

 

Facts

 

メキシコの貨物窃盗の現状

 

2010年第2四半期のメキシコにおける貨物窃盗の状況は、米国の状況といささか似た部分があったものの、その手口には、かなり違いが見られました。Freight Watch International Second Quarter 2010: Mexico Cargo Theft Reportによると、「メキシコの貨物窃盗の発生頻度は、きわめて高い状態が続いていて、特に北米の他の国に比べて高くなっている」とのことです。2010年第2四半期に貨物窃盗発生件数が最も多かったのは、メキシコシティ(連邦区)で58件前後。逆に最も少なかった州は、グアナファト州とコアウイラ州で、第2四半期の発生件数がそれぞれ11件と10件でした。

 

 

 

Semi Truck in Mexico
Trucking Through Mexico

最も頻繁に盗まれた品目は、PVC(ポリ塩化ビニル)、鉄鋼製品、セメント、銅、ガソリンなどの建材で、2番目にトウモロコシや豆などの食品が続きました。この状況について、Freight Watchの報告書は、「麻薬カルテルのメンバーが食品を積んだトラックを狙い撃ちしていて、盗品を低所得者地域の食料品店や慈善住宅に配ることで地元住民から敬愛を得ようとしている」と説明しています。米国の窃盗と非常に異なる点として、メキシコの貨物窃盗は道路脇のハイジャックが中心で、ほぼ必ず暴力が介入する点が挙げられます。メキシコの貨物窃盗の手口を見ると、ハイジャックの76%は道路脇で、18%はトラック用のサービスエリアで起こっています。

 

Freight Watchの第2四半期報告書は、メキシコで2010年第2四半期に起こった貨物窃盗に見られる傾向として、次の5点も指摘しました。

  • 情報漏洩や運転手との共謀が増えている
  • 高価な積荷や食品を狙う麻薬ギャングが増えている
  • コアウイラ州で貨物窃盗が増えている
  • 主要高速道路沿いでトラックを狙う新しい手口が見られる
  • マンサニージョ港での貨物窃盗が増えている

メキシコの貨物窃盗の手口は、きわめて危険で、大きな懸念となっています。発送業者が対策に使えるテクニックはさまざまあり、それらはすべて、米国の発送業者が取れる対策と同じです。追跡装置やリアルタイムの監視装置を導入し、高価な積荷に武装したを付けるなどすれば、窃盗を防ぎ、また窃盗が起きた場合にすぐに対処するのに、かなりの効果を発揮するでしょう。

 

ご存じですか?

2010年8月18日、メキシコ経済省は、もともと3月に課税対象としていた米国原産の農業・工業製品99品目のうち、26品目について報復関税率を変更するという政令を公示しました。99品目中には、推定17億ドルに相当する54品目の農業製品が含まれます。更新後も、総品目数は変わらず99です。       

 

 

 


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