このフード・レポートの内容は:

VOLUME 1
第6号


2010年6月1日

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Hello,

インテリジェント・フード・レポートの6月号へようこそ!

最近、シアトル・マリナーズの試合中にケン・グリフィー・ジュニア選手がロッカールームで居眠りしていたことが話題になりました。もしかするとその理由は、5月前半、シアトルを含むアメリカ北西部のお天気が涼しくて雨続きだったせいかもしれません。あるいは、たいした波乱もなさそうな今シーズンに、グリフィー選手もすっかり安らかな気持ちになってしまったのでしょうか。

どちらにしても、ここ北西部では収穫物にも似たような状況が見られます。ワシントン州とオレゴン州のシーズンは、何となく穏やかなスタートとなりました。グリーンピースの収穫を控えて、これといった心配事も特に見当たりません。天候はいつもよりも少し涼しく、雨の日もありましたが、収穫の始まりを2、3日遅らせるだけで、全体としてはこれまでのところ「静かで波乱のない」作付け状況となっています。

このレポートの6月号では、食品加工施設で使える最新の照明機器、騒乱の続いたタイ情勢についてのコメント、そして野菜や果物の冷凍食品を食べるメリットを取り上げていきます。

MarinersNoon

ヘルシーな野菜と果物を必ずしも食べられないことはあるものです。このことは、最近、Noon Internationalでも実感させられました。オーストラリアの仲間でシドニー・オフィスの重要メンバーであるキャロルを連れてマリナーズの試合に繰り出した時でした。シアトルを最近訪れていたキャロルは、大の野球ファン。なのに、アメリカで野球の試合を見たことがなかったのです。これはもう絶好の口実ということで、私たちは早速、セーフコ・フィールドの対ボルチモア・オリオールズ戦へと向かいました。イチロー選手やグリフィー選手(この日は居眠り中ではなかったようです)の巧みなスイングに魅せられ、ビールとホットドッグで、みんな最高の時を過ごしました。でも、楽しかったと同時に罪悪感もあったのは事実です。ヘルシーで栄養たっぷりの野菜を、この夜のメニューに組み込むことがどうしてもできなかったのですから!… ホットドッグの上に乗ったタマネギは別として、ね。


Lily and Betty

 

 

CropNews

CropVeggies

アメリカ合衆国: 太平洋岸北西部では、低い気温と長雨が続いています。アメリカ農務省の統計によると、5月第2週までには39%が芽を出し、第1週時点の26%から大きな進歩が見られました。とはいえ、過去5年の平均値は5月第2週までの発芽率が53%ですから、通常より遅いペースであることは否めません。5月中旬の強風は開花時期の作物に多少のダメージをもたらしましたが、被害は最小限に留まりました。

グリーンピースの収穫は6月第1週に始まる予定で、涼しかった5月の影響を受けて2、3日の遅れとなっています。これまでに分かったところでは、収穫は質、量ともに平均的、あるいは平均よりやや良の見通しです。

中西部では、5月中旬から下旬にかけて、全般に低温多雨の気候となりました。ウィスコンシン州では5月中旬に霜が見られたほどでした。この寒さと湿気によって植え付け作業はスローダウンしましたが、米国農務省のミネソタ現地事務所からは、雨によって「発芽期の作物に必要な土壌水分が回復した」という報告がありました。ミネソタ州では、スイートコーンの植え付けが38%終了したと伝えられています。

オーストラリア: ビクトリア州北部のストラスマートンとエルドラドでクインスランドミバエの発生が確認されたため、オーストラリアの柑橘類の輸出は大きな被害を受けました。この2度にわたる最近のミバエ発生のほかにも、ニューサウスウェールズ州ヒルストンでの発生が確認されています。影響を受けた地域の農家が輸出果物の栽培農家として認定されるには、果物を低温滅菌しなければなりません。クインスランドミバエは、幼虫が果物に巣食うことで知られています。

オーストラリアの多くの地域は、今もなおイナゴの異常発生から影響を受けています。イナゴが産んだ卵が春に孵るまでの間、農家はあまり対策も講じられないでしょう。異常発生したイナゴは、クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州から南オーストラリア州、ビクトリア州へと移動し、さらに南オーストラリア州の北東部から南部へと向かっています。南へ移動するにつれ、イナゴが好む穀物の栽培地帯に近付きます。影響を受けた州では、この春、害虫駆除が最優先課題となるでしょう。

オーストラリア油料種子連盟は、今年が過去10年で最大のカノーラ収穫年になると予測しています。これは、作付面積が16%増加したことに加え、年初の植え付け期に天候に恵まれたことが要因です。

ニュージーランド: 2009年から2010年の栽培シーズンにも、キジラミの被害は確実に観察されました。ただし、2008年から2009年のシーズンに比べると、被害ははるかに軽かったと伝えられています。加工業者はなおも調理品質の課題に直面していますが、栽培農家はこの害虫を慎重に検査していて、ジャガイモの収穫に対してはすべて共同監視を行っています。ニュージーランドの生産農家によると、ジャガイモの収穫に対する直接的な被害金額以上にキジラミの予防策にコストが生じており、通常の4倍に達しています。

中国:中国南部には雨が降っていて、中国水資源省によると、「これまでの降水量は70ミリで、昨年秋に始まった干ばつに終わりをもたらした」そうです。ただし、この雨は干ばつに終止符を打った一方で、水不足で苦しんできた地域に洪水を引き起こしました。5月20日現在、さらなる雨が予測されていることから、中国政府は10省に洪水警報を発令しています。

中国全土にわたる異常気象のせいで、多数の作物が影響を受けています。特にインゲンマメの需要は、異常に高まっています。天候に恵まれなかった北東部では、インゲンマメの生産が激しく落ち込みました。価格は、昨年同時期に比べて2倍に達する可能性があります。

浙江省では、エンドウマメとスナップエンドウの加工が進められています。冷え込んだ春のせいで、シーズンは2、3週間の遅れを来たしました。エンドウマメの収穫量は昨年に比べて少なくとも50%減と伝えられています。この不足により価格が高騰し、1トンあたり約1,000ドルの値上がりとなっています。

江蘇省では、ニンニクの芽、エンドウマメ、スナップエンドウの加工が行われていますが、やはり収穫量が少なく、価格が上昇しています。

山東省のグリーンアスパラガスの収穫は、冬の寒波と春の冷え込みの影響を受け、50%減となっています。

 

 

FoodSafety

食品加工の現場に明るい光

Lightbulbs人間にとっても機械にとっても、農産品を効果的に検査して傷やダメージを見つけ、余計な野菜や異物の混入を探きるどうかは、あるひとつの要因に大きく依存しています。それが、十分な明るさの照明です。照明は、検査に影響するばかりでなく、作業員の安全、運営コスト、冷蔵効率といったあまり目立たない点にまで影響する可能性があります。食品加工施設の照明にはあまりにも多くの選択肢が存在するため、最適な方法を見つけるのが難しいということも、しばしばあり得ます。今日の食品加工現場は、照明についてどのようなことに配慮すべきなのでしょうか。また、未来の食品加工施設の照明は、どのようなものになっていくのでしょうか。

照明の明るさは、「ルクス」という単位で計測されます。例えば、50ルクスは典型的なリビングルームの明るさ、100ルクスは暗く曇った日の昼間の明るさ、1,000ルクスは典型的なテレビ・スタジオの明るさ、10万ルクスは直射日光の明るさです。ペンシルベニア州立大学の食品安全性・衛生学科では、製品検査エリアの明るさとして1,180~1,400ルクス、梱包およびメンテナンス・エリアの明るさとして750~860ルクスを推奨しています。

食品加工施設は、照明ニーズを満たすにあたって蛍光灯とHID(高輝度放電)照明を使用しています。蛍光灯とHID照明は、導入コストという点で現在最も経済的な選択肢ですが、未来の食品加工施設の照明とされるLED(発光ダイオード)から追い上げを受けるようになっています。LEDは非常に明るく、省エネ型の照明です。LEDチップは特に低温環境に適していて、同じ温度下で蛍光灯やHIDと比べた場合、寿命が長く、効率も50~75%高くなります。これまでのところ、LEDの導入コストは、ほとんどの施設にとって高すぎるレベルでした。とはいえ、Food Engineering Magazineの今年1月号によると、「この技術が2~5年後には少なくとも産業用途の屋内照明として普及期に入るというのが、サプライヤの間の一般的なコンセンサスとなっている」そうです。

LED照明は最近技術が進歩し、その未来を確実なものとしました。食品安全性の観点からは、ガラスを使わない点が食品加工現場にとってLEDの魅力を高めています。これまでのLEDには温かみのある自然な色でないという欠点がありましたが、LEDのメーカーは、赤とオレンジのスペクトルを追加することで、この点を改良しています。LEDの製造コスト削減方法をメーカーが追求し、完成させるのを受けて、未来の食品加工施設の照明システムにおいてLEDが重要な役割を果たすようになるのはほぼ確実と言えるでしょう。

 

EatHealthy

 

栄養価の高い冷凍食品

バラエティに富んだ野菜と果物を食べることは、様々な慢性病の予防につながるだけでなく、場合によっては症状緩和に役立つ可能性すらあります。野菜と果物は、健康なライフスタイルを維持するのに欠かせないビタミン、ミネラル、抗酸化物質を豊富に含んでいます。ベリー類やブロッコリーをはじめ、最も体に良い野菜や果物の多くは、1年を通じて冷凍食品として買うことができ、生鮮に比べて常に安い価格で手に入ります。野菜や果物の保存に使われる冷凍処理が栄養価を損ねるという懸念を抱いている人もいますが、特定の野菜や果物、また特定の冷凍処理であれば、収穫され最も新鮮な状態で冷凍された製品の栄養価が大きく下がることはないと、複数の研究で報告されています。

冷凍野菜や冷凍果物の栄養価に最も直接的に影響する要因は2つあります。収穫から冷凍処理までの時間、そして冷凍前の熱湯処理の程度です。イタリアのウルビーノ大学がJournal of Agricultural and Food Chemistryに発表した2003年の論文によると、「冷凍野菜の栄養価の保存状態は、収穫後、処理工場に到着するまでの時間、そして冷凍工程における熱湯処理の程度に密接に関係している」そうです。例えばニンジンのように、熱湯処理の前に蒸気をかけて皮をむいている製品は、熱湯処理しか施さない製品に比べて損なわれる栄養価が大きくなります。また、このイタリアの研究では、ブロッコリーが特に熱湯処理に強い野菜だとされました。

冷凍ベリーの場合は、冷凍処理の違いよりも果物の種類の違いのほうが、抗酸化物質の保存状態にとって大きな役割を果たします。スペイン・マドリードの冷凍研究所(CSIC)植物性食品科学技術部がJournal of the Science of Food and Agricultureに発表した2003年の論文では、ラズベリーとブラックベリーのビタミンC保存度が研究されました。その結果、同じ種類のベリーであれば、生鮮と冷凍の含有ビタミンCにはあまり違いがないことが分かりました。この研究で報告された最も興味深い点は、早くに収穫されたラズベリーと遅くに収穫されたラズベリーを比べた場合に、後者のほうがビタミンCやその他の体に良い成分の含有率が高かったことでした。また、この研究では、冷凍貯蔵する間にビタミンCとその他の体に良い成分がわずかに減少することも報告されました。

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冷凍食品として買える野菜や果物は、一般に生鮮でも手に入りますが、多くの場合、冷凍食品のほうが生の食品よりも安く売られています。さらに、冷凍食品のほうが生鮮食品よりも体に良いという可能性すらあります。2010年2月に発行されたHarvard Heart Letterでは、生鮮食品が輸送されて食料品店の棚に置かれている1、2週間の間に「ビタミンと植物性栄養素が酵素によって徐々に分解される」ことが指摘されました。収穫後まもなく冷凍され、その工程で過度な熱湯処理が施されていないかぎり、健康なライフスタイルを維持するために推奨量の野菜と果物を食べる経済的かつ効果的な方法として、冷凍食品を役立てない理由はありません。

 

 

 

Facts

 

タイの反政府デモ: 農業に対する危険は?

世界各地のメディアが報じたとおり、タイでは5月前半に市民による反政府抗議活動が続きました。デモ隊は主に、2006年の軍事クーデーターで地位を追われ国外逃亡中のタクシン元首相を支持する非都市部の住民「赤シャツ隊」によって構成され、騒乱はおおむねバンコク市内に集中していました。一部報道では、ウドンタニやコンケーンなど国の北部でもデモや武力衝突があったと伝えられましたが、全般に最も激しい衝突はバンコクに限られていました。この騒乱は、食品加工施設をはじめとするタイ国内の主要産業に影響するのでしょうか。また、これから先、抗議活動が継続し、エスカレートするのでしょうか。

トヨタ自動車は、5月第2週の間、バンコク郊外にある工場のひとつを閉鎖しました。トヨタでは、閉鎖の理由を政治的なものではなく経済的なものだと説明していますが、近年のタイの歴史において最大の情勢不安とタイミングが一致した事実は、トヨタの説明にやや疑念をもたらします。

タイにおける缶詰トウモロコシの生産の大半は、バンコクの北西にあるカンチャナブリ県で行われていますが、この地域では政治武力衝突は報告されていません。農作物の栽培・加工地域に抗議活動が広がれば、業界への影響は間違いなく現れるでしょう。

2005年までタイに駐在したアメリカのある元外交官は、武力衝突が広がる確率はきわめて低いと見ています。また、タイの食品の主要販売国である日本や中国などに輸出される缶詰野菜、冷凍野菜には、これまでのところ目立った影響は確認されていません。とはいえ、反政府抗議活動は、タクシン元首相の支持表明に留まらず、社会正義を求める叫びへと転じつつあるようにも見受けられます。現在の報道によると、赤シャツ隊は散り散りになってそれぞれの県に帰ったものの、今なお強姿勢を崩しておらず、自分たちの使命に専心していると伝えられています。

現在のタイ政治情勢が農業にどのような影響を及ぼすのかを正確に見きわめるには、まだ時期尚早です。農業地域の大半はバンコクから遠く離れているため、農業に対する直近の影響は最小限に留まるでしょう。ただし、反政府派のほとんどは非都市部の田園地帯を基盤としていることから、バンコクに大量のデモ隊を送り込んだタイ北部や北東部で起こったように、バンコク以外の地域で激しい抗議活動が起きる可能性は残されています。

thailandmap

 

当面、バンコクのデモ隊は解散されましたが、抗議活動家が次にどのような行動に出るかは、今後の成り行きを見守るほかありません。タイ情勢は、なおも予断を許しません。特に、この揺れ動く美しい国にビジネス上のかかわりがある人にとっては、目の離せない状況が続くでしょう。

 

 

 

 

 

耳より(口より?)情報

ワシントン州ではチェリー生産のシーズンがまもなくピークを迎えます。生鮮はもちろん、冷凍や缶詰、乾燥食品としても食べられるチェリーは、ビタミンCと繊維質が豊富。この栄養価に加え、味ももちろん抜群です。世界でも最高のチェリーの一部が、ここワシントン州で生産されています!

 


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