このフード・レポートの内容は:

 

VOLUME 3
第8号


2012年8月1日

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皆さん、こんにちは。ここ米国北西部では、嬉しいことに快適な夏の天気が続いています。暑すぎず、涼しすぎず、美しい青空に恵まれて、近所をウォーキングするのに絶好の気候です。とはいえ、米国の中西部にいる友人の多くは、そういうわけにもいかず、すでにご存じのとおり、深刻な干ばつと強烈な熱波が中西部を襲い続けています。

この状況は、農作物の生産農家や酪農家、加工業者に被害をもたらしています。まもなく私たちも皆、財布に痛みを感じ始めることになるでしょう。家畜を育てている農場が間引きを行っているため、当面は肉類が市場に大量に出回ると思いますが、長期的に、肉類の価格は4~5%上昇すると見られています。この歴史的な干ばつは、中西部の80%以上に広がっています。大豆とトウモロコシの被害状況については、今月末に収穫シーズンが本格化すると明らかになるでしょう。それまで、雨が降ることを願うばかりです。世界的にも多くの地域が悪天候に見舞われており、農作物は大混乱に陥っています。世界の食料需要が拡大していることも相まって、向こう2、3年は本当に厳しい状況となりそうです。

明るい話題といえば、北西部では、これまでのところ通常どおりの栽培シーズンを迎えられていることです。グリーンピースは、質、量ともに良好な状態で収穫を終えました。トウモロコシは、ちょうど収穫が始まろうとしていて、やはり上々のシーズンとなっています。

Noon Internationalのメンバーは、この夏、たくさんのお客様をお迎えすることを楽しみにしています。もちろん、マリナーズ戦へも繰り出すつもりです。ただ、イチロー選手がいなくなってしまったので、今までの試合とは違ってくると思いますが。それにしても、ヤンキースがまたしても有力選手を引き抜くなんて、本当に信じられません!(これはニューヨーク出身者の言葉です)。

収穫シーズンがピークを迎えるなか、安全で高品質な食品を私たちの食卓に届けようと、熱心に取り組んでおられる生産農家と加工業者の皆さんに、スタッフ全員から心よりお礼を申し上げます。

Betty Johnson and the Noon International Team

CropVeggies





アメリカ合衆国:
サワーチェリーの最大生産地、ミシガン州は、4月に遅霜に見舞われ、作物の75%がダメージを受けました。

北西部では、6月第1週にグリーンピースの収穫が始まりました。寒冷多雨のために収穫がやや遅れ、一部の加工業者は、その影響を受けて安定した生産が続けられないという状況に陥っていますただし、品質は良好で、収穫量は例年並みと伝えられています。

map of china
収獲間近の美味しい
ワシントン州産ブルーベリー

トウモロコシは、今月終わりに収穫が始まる見通しです。北西部では、植え付けが75%終了しました。これまでのところ状況は良好です。

中西部では、トウモロコシの植え付けが続いており、今のところ状況はおおむね良好です。

フライドポテト用のジャガイモの加工は、今月開始の見通しです。

メキシコ:メキシコでは雨季が始まりつつあります。ブロッコリーとカリフラワーの生産は現時点では順調ですが、雨季が深まるにつれ生産量は減少するでしょう。

グアテマラ:今月、ブロッコリーのシーズンが始まります。グアテマラのブロッコリーは、7月半ばから終わりにかけて、ピークシーズンを迎えます。状況は良好で、今シーズンは質・量ともに上々であると見込まれています。

チリ:チリは現在、休閑期のため、ほとんどの加工業者は、定期メンテナンスや工場の機器刷新のために休業しています。

エクアドル:雨がコンスタントに降り続いていますが、洪水と土砂崩れでトロピカルフルーツに被害が出た先月に比べ、雨量は下回っています。また、高地も雨に見舞われていますが、ブロッコリーの質と量には影響がないと伝えられています。

ヨーロッパ:ヨーロッパは全体的に例年より降雨量が多く、気温も低くなっています。チェリーやイチゴなど一部の果物が影響を受けており、生産量が減少する可能性があります。イギリスでは、天候の影響でアスパラガスが不足しています。

タイ:タイでは、マンゴー生産地の多くが最近干ばつに見舞われたため、生産量が減少しています。パパイヤも、昨年の洪水で多くの木が流されてしまい、その植え替え作業が追いついていないことから、今後、供給が不足気味になるでしょう。

中国:エダマメは、昨シーズンよりもやや良好になることが期待されています。浙江省では、6月23日に収穫が開始され、7月15日に終了する見通しです。一部の畑が大雨の被害を受けたため、価格の上昇が予想されます。中国のインゲンマメの収穫は6月17日に終了しました。6月は雨と晴れの日が交互にあったため、品質は昨シーズンよりも良くなっています。ブロッコリーの種まきは、今月、開始する見通しです。黄桃の成長も順調で、昨シーズンよりも大きく実っています。黄桃の価格は、昨シーズンよりも安くなる見通しです。



中国が新たに掲げる食品安全性への対策

 

map of china 中国は、急成長する経済と国際政治における重要な役割を担っているにもかかわらず、食品の品質と製造プロセスの安全性に関する問題は絶えません。ここ数年だけでも、食品関連スキャンダルが何件かあり、最も悪名高いのは、2008年に大きく取り沙汰された粉ミルクへのメラミン混入でした。汚染された粉ミルクにより、数千人という乳児が中毒症状となり、腎臓障害で6人の赤ちゃんの命が奪われました。

最近報道されたところでは、湖南省の大手乳業メーカー、湖南亜華乳業の「南山倍慧」ブランドの粉ミルクから発がん物質のアフラトキシンが見つかっています。アフラトキシンの出所は、このカビ毒に汚染された飼料を食べたウシにありました。アフラトキシンは、少量では危険はありませんが、大量に摂取すればきわめて有害で、肝がんを引き起こす可能性があります。さらに、中国の大手乳業メーカー、イーリー・グループ(伊利集団)も、粉ミルクから「異常な」レベルの水銀が検出されたとしてリコールを発表しました。乳製品以外では、汚染されたお茶の問題が幾度となく伝えられています。中国で製造されているお茶を検査したところ、メソミルなど非常に危険な農薬が、複数の人気ブランド製品から検出されたのです。

これらの食品安全性に関する不祥事を受けて、中国政府は、長期的な食品問題対策を模索しており、食品製造プロセスの説明責任、規制、モニタリングを改善するための方策を策定しつつあります。
現在、中国には、国の食品安全性基準を記録、監視する独占機関が存在しません。このため、基準に矛盾が見られ、実践やモニタリングにもバラつきが生じています。また、食品安全性の向上を目指す国の努力に限界をもたらしている重要な側面として、食品安全性基準と食品業界の発展レベルが一致していないことが挙げられます。食品安全性基準のなかには大規模に導入するのが容易ではなく、結果として十分なリスク評価機能をもたらさない基準もあります。それに加えて、中国の食品安全性基準は、食品の混入物検出やパッケージの安全性のモニタリングにおいて、国際基準に見合うほど十分なレベルに達していません。

最近、草稿が策定された「国家食品安全監督管理システム第12次5カ年計画」では、全食品において食品添加物、農薬、汚染物、有害物質、残留獣医薬などを検出するためのステップの策定、改定など、活動の開始計画がいくつか盛り込まれました。また、中国衛生部(保健省)では、飲料、シリアル、穀物、肉類、乳製品、香辛料、植物油など、自然の産物から作られる食品すべてをモニターするための統合的な食品基準を策定しつつあります。

さらに中国は、食品に関するコーデックス委員会で今までよりも積極的な役割を果たし、WTO(世界貿易機関)に加盟する主要貿易相手国の食品基準や安全性制度の導入体系などを詳しく理解するための準備を進めています。現在、中国政府は、2015年までに、これらの目標を達成すべく、いくつかのイニシアチブを発足しているところです。また、この分野の知識開発、研修、人材開発にも努め、食品安全性の取り組みを後押ししています。

食品安全性は、中国にとって重大な課題です。中国政府は、明確な対策を講じて、安全に製造された食品を国民に提供することはもちろん、グローバルな食品産業においいて有能かつ信頼できる国としての地位を築いていく必要があるでしょう。




肥満対策に取り組むディズニー

mickey mouse

ウォルト・ディズニー・カンパニーが最近、子供向けのエンターテインメント・チャンネルにおけるジャンクフードの広告を減らすという計画を発表し、保護者層や保健衛生の専門家から幅広い支持を集めました。同社は、2015年までに保有する全テレビ局の放送からジャンクフードの広告を完全に排除することを目標に、現在取り組んでおり、子供のヘルシーな食習慣を促進すべく幅広い運動を行っていくという姿勢を示しています。

米国では、子供の肥満が保護者や保健衛生の専門家の間で大きな懸念事項となっています。小児外科医のキャサリン・ミューズメッシュ博士は、その問題の深刻度を指摘して、「子供をターゲットにした広告が肥満のまん延を助長している」と訴えています。この点を強調するにあたり、同博士は、子供に向けたファストフードの広告を禁止することで肥満の減少に大きく寄与できるとした最近のブリティッシュコロンビア大学の研究を引き合いにしています。

この研究では、オンラインメディアと印刷媒体のファストフード広告を禁止することが、良い食習慣を持つ健康的な子供の育成に役立ったことが示されました。カナダのケベック州で子供をターゲットにしたファストフード広告を32年間にわたって禁止した結果、子供の「ファストフードの食費が13%減少し、摂取カロリーが推定20~40億カロリー削減された」ことが分かったのです。当然ながら、カナダ全州の中でケベック州の子供肥満率が最も低くなっています。

子供の肥満が極端に増加して、食品メーカーの責任増大や栄養価の高いヘルシーな子供向け食品の製造を要求する声が保健衛生の専門家から上がっているにもかかわらず、これまで子供向け食品のメーカーが自ら具体的な行動を取ることはほとんどありませんでした。米国のオンラインメディアおよび印刷媒体では、子供に向けたファストフードの広告が今も盛んに行われています。また、子供向け食品の栄養価は全体的に若干、向上はしているものの、シリアルなどの製品には今でも突出した量の糖分と不健康なカロリーが多分に含まれています。食品政策と肥満の関係を研究するイエール・ラッド・センター・フォー・フードポリシー&オビーシティの最近の報告書によると、子供たちは依然として「スプーン3杯分のシリアルにつきスプーン1杯分の砂糖」を摂取しています。

家庭での食習慣はもちろんですが、オンラインメディアと印刷媒体の食品広告は、私たちの栄養についての意思決定に大きく影響しています。悲しいことに、ファストフードの広告と、カロリー過多の不健康な食品や糖分がたっぷり入った飲料の摂取を結び付ける調査結果が複数出ているにもかかわらず、依然として食品会社は若い視聴者向けのテレビ広告を積極的に展開するだけでなく、過剰な糖分とカロリーを含んだ食品を、きわめて魅力的な方法で子供たちに訴求しているのです。

スーパーの棚は、恐竜の形をしたシリアルや魅力的なパッケージに包まれた不健康な食品で溢れています。子供たちは、食品の広告に絶えずさらされており、それらを評価する術を持ち合わせていません。結果として、「人気」があるけれども不健康な食品を求める子供たちの容赦のないおねだりに親が折れる羽目になってしまっているのです。

残念ながら、不健康な食品をアピールする無責任な広告やアグレッシブなマーケティングを私たちの多くが受け入れているのが現実です。保護者や保健衛生の専門家がその影響に抗うひとつの方法として、市民のサポートと意識改革を促し、州による立法強化を要求することが挙げられます。とはいえ、最終的には、親が子供にヘルシーな食品の選択肢を提供し、健やかなライフスタイルを育むことが幼い子供たちにとって良きお手本となるのです。


米国中西部で続く干ばつが深刻化


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干ばつ被害にあったコーン


過去数十年で最悪の干ばつと熱波が、米国中西部に被害をもたらし続けています。この干ばつは、中西部で主要農作地となっている複数の州にわたって急速に拡大しました。一部地域では多少の降雨がありましたが、土壌に十分な水分をもたらすほどではなく、早植えのトウモロコシと大豆を救うには遅すぎたようです。ブルームバーグ・ニュースによると、「トウモロコシと大豆は1988年以来最悪の状況にあり、干ばつは(ハワイとアラスカを除く)米国48州の56%に及んでいる。7月22日時点で、米国のトウモロコシ26%、大豆31%が、良好または大変良好」とのことです。

米国政府は、29州の1,300郡に自然災害地域宣言を出しました。食品価格は、まもなく記録的な高騰となるでしょう。業界の専門家たちは、農業生産への影響、そして米国および世界的な食品価格への影響を懸念しています。食品業界、農業界は共に、トウモロコシと大豆への影響により店頭に並ぶあらゆる食品のコストが上昇すると見ています。まもなく一般消費者は、肉類、乳製品、調理油に加え、ほぼすべての加工食品の値上がりに直面するでしょう。こうした食品は、基本原料としてトウモロコシと大豆に多く依存しているためです。乳製品は、今年は横ばいか値下がり傾向と予測されていましたが、農場で使用する飼料が高騰するにつれ、やはり値上がりする見通しです。

パデュー大学の農業経済学者、コリンヌ・アレクサンダー氏は、「2011年の食品インフレ率は、通常値を大きく上回っていた」と指摘しています。2011年は、食品インフレ率が4.8%に達し、消費者には厳しい年でした。2012年の予測は、2%前後とされていましたが、エコノミストらは、今や値上がりは確実と見ており、値上がりがどの程度になり、消費者の毎月の食費にどれだけの負担がかかるかといった、具体的な見通しは明らかではないものの、2012年から2013年にかけて、一般家庭は厳しい状況に備える必要があると警鐘を鳴らしています。

現在の干ばつが今後も続けば、消費者と農家の両方にとって、厳しい選択が待っていることでしょう。

昨年、「コーンベルト」と呼ばれるミネソタ州、イリノイ州、インディアナ州、アイオワ州、ネブラスカ州の農家は、世界需要の伸びに対応するためトウモロコシの作付面積を拡大させました。しかし、雨は降らず、熱波で生産が被害を受けており、多くの農家が投資した作物を失いつつあります。当初、農務省は、トウモロコシ生産量の全米平均を1エーカーあたり166ブッシェル(約5,850リットル)と予測していましたが、すでに146ブッシェル(約5,145リットル)に修正しており、今後も状況が悪化すればさらなる下方修正が予想されます。

農作地が干からびて、トウモロコシと大豆の供給が減少したことを受けて、すでに飼料価格も上昇しています。これにより、多くの農場が家畜の処分を余儀なくされることになりそうです。

家畜の処分が増えれば、スーパーにある肉類および乳製品の価格が大幅に値引きされることになりますが、それは短期的な現象にすぎません。いずれ供給が枯渇し、スーパーの在庫を満たすのに十分な肉類と乳製品が農場から送られなくなります。その結果、需要が供給を上回り、食品価格が激しく高騰し始めるでしょう。

トウモロコシと大豆は、食料品店で販売される全食品の約75%にとって欠かすことのできない原料です。この2品目の価格高騰は、すべての消費者に影響を及ぼします。私たちの財布と世界の食品供給に、どんな影響があるかを見極めるために、これからの2、3週間に注目してみましょう。その間にも、みんなで雨乞いをしようではありませんか!




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